【 本領域の内容と手順及び進行に伴う修訂 】


(a)研究組織

 本特定領域研究には、出版印刷文化と社会をめぐる研究を円滑に遂行するために、1班の総括班を置き、領域全体の総括と研究の円滑な推進および研究結果の評価を行う。また、7研究項目を柱とする調整班を設け、調整班には40件の計画研究とそれを補完するための公募研究を立てる。同時に、研究全体を側面から学際的、国際的に援助するための研究推進・協力部門を設け、内外の研究者及び先行の特定領域研究の協力を仰ぐ。また本領域研究に対する評価及び指導を受けるために、独立した評価委員会を設ける。


イ)領域代表者(1名)
(1) 総括班及び各調整班を統括し、領域全体の研究連絡・調整を行い、成果を集成する。
(2)総括班事務を統括する。

ロ)評価委員会(4名)
  本特定領域研究の適切な進行を図るため、学識者による評価・指導を行う部会を設け、適宜その意見を反映させる。

ハ)総括班
(1) 総括班は、領域代表(1名)、評価担当(1名)、調整班代表(7名)、事務担当(1名)の計10名よりなる。総括班所属の評価担当は、主として書誌・出版研究者から選ぶが、文部科学省の規定によって研究分担者とは位置づけない。
(2) 諸調整班および諸計画研究の有機的つながりを図る。
(3) 東アジア出版文化諸領域の連携のための組織作りをする。
(4) 東アジア出版文化諸領域における研究史とその近代以降の成果総括を取り纏める。
(5) 各調整班における「研究成果の突き合わせ」の結果を取り纏める。
(6) 調整班G「出版情報・書目研究」とともに出版および出版文化研究の将来像に関する検討を行う。
(7) 調整班とともに調査結果を検討し、『東アジア善本(資料)叢刊』の刊行を企画する。
(8) 研究成果の提示を行うため、『東アジア出版文化研究』という研究論集・ニューズレターの出版、新聞・テレビ・インターネットなどのメディアによる広報、あるいは国際シンポジウムの開催を企画する。
(9) 上記の出版企画および広報を担当する出版委員会および広報委員会を総括班のもとに設ける。
(10) 総括班のもとに特定領域運営事務局を設ける。

ニ)広報委員会(3名)
  総括班及び調整班等から3名を選び、本研究領域研究の活動状況をインターネット上のホームページを通して周知する。初年度はニューズレターの冊子体印刷物を発行し、次年度からはホームページによって、逐次、新知見の情報公開を行うとともに,年度末にそれらをまとめて冊子体のニューズレターを発行する。

ホ)出版委員会(3名)
  総括班及び調整班(計画・公募)から3名を選び、研究成果及び善本(資料)叢刊の発刊作業に当たる。

ヘ)研究推進・協力部門(研究顧問・研究協力)
  本申請領域研究の研究の水準を高めるために、総括班、調整班、評価委員会とは別に、不特定人数から構成する研究推進・協力部門を設定する。国内は研究顧問と研究協力とに分け、国外は研究協力者とし、いずれも総括班を通して本申請研究の推進に協力する。

ト)特定領域運営事務局
  本研究を円滑に進めるため、領域代表のもとに設置され日常事務を扱う。東北大学東北アジア研究センター内に置く。

チ)計画研究と公募研究との連関と役割分担
  領域内に設けられた7本の研究項目に調整班を置き、それぞれの分野に基幹研究としての計画研究40件を配する。そして、計画研究では手薄の分野を補完すべく公募研究を広く求め、研究項目の充足を図る。また、研究分野の多様性を考えて、次の時代を担う若手の斬新な研究を公募し、若手の研究者の育成と共に新しい問題発掘に努める。



◆  ◆  ◆


【 研究組織名簿 】

(1)領域代表者  :磯部 彰   東北大学東北アジア研究センター教授

(2)評価委員会委員:

氏 名所属機関・職
金谷  治東北大学・名誉教授
尾崎雄二郎京都大学・名誉教授
竺沙 雅章京都大学・名誉教授
戸川 芳郎東京大学・名誉教授

(3)総括班(10名)
(※事務局と調整班との関係を密接に保つため、必要に応じて事務担当者を調整班より起用することがある。)

氏 名所属機関・職備 考
磯部 彰東北大学東北アジア研究センター・教授領域代表者
尾崎 康帝京大学・教授評価担当者
金 文京京都大学人文科学研究所・教授調整班代表
三浦秀一東北大学文学研究科・教授調整班代表
若尾政希一橋大学社会学研究科・助教授調整班代表
大塚秀高埼玉大学教養学部・教授調整班代表
新宮 学山形大学人文学部・教授調整班代表
鈴木信昭富山大学人文学部・教授調整班代表
高山節也二松学舎大学・教授調整班代表
曽根原理東北大学情報シナジーセンター・助手 


(4)調整班代表者  調整班と計画研究(計画研究代表者 40名)

 調整班とそれに所属する計画研究代表者をここに示す。調整班会議には、当該研究項目に関するすべての研究者が参加するものとする。(◎総括班 ○調整班代表)

《 調 整 班 》

A機構氏 名所属機関・職専門分野
 石塚晴通
(白井 純)
北海道大学文学研究科・教授
(北海道大学文学研究科・助手)
日本(語学)
磯部 彰東北大学東北アジア研究センター・教授中国(文化)
 井上 進名古屋大学文学研究科・教授中国(近世史)
 小川陽一
(山口謠司)
大東文化大学文学部・教授
(大東文化大学文学部・助教授)
中国(文学)
◎○金 文京京都大学人文科学研究所・教授 
 陳 仲奇島根県立大学総合政策学部・助教授 
 花登正宏東北大学文学研究科・教授中国(語学)


B出版物氏 名所属機関・職専門分野
 瀬川昌久東北大学東北アジア研究センター・教授中国民俗学
 岸本恵実大阪外国語大学留学生日本語教育センター・講師 
 関場 武
(高橋 智)
(佐々木孝浩)
(住吉朋彦)
慶應義塾大学文学部・教授
(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・助教授)
(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・助教授)
(慶應義塾大学附属研究所斯道文庫・助手)
日本(語学)
 武内紹人神戸市外国語大学外国語学部・教授チベット・ビルマ(語学史)
 中嶋隆藏東北大学文学研究科・教授中国(思想)
◎○三浦秀一東北大学文学研究科・教授 
 八尾隆生広島大学文学研究科・助教授ベトナム(歴史)
 吉田 忠
(寺山恭輔)
東北大学名誉教授
(東北大学東北アジア研究センター・助教授)
 


C環境氏 名所属機関・職専門分野
 赤尾栄慶
(泉 武夫)
京都国立博物館・主任研究官
(同博物館京都文化資料研究センター・資料管理室長)
中日(写経史)
 浅野裕一東北大学国際文化研究科・教授中国(思想)
 庄垣内正弘京都大学文学研究科・教授東洋諸語学
◎○若尾政希一橋大学社会学研究科・助教授 


D文化氏 名所属機関・職専門分野
◎○大塚秀高埼玉大学教養学部・教授中国(文学)
 高田時雄京都大学人文科学研究所・教授中国(語学史)
 原山 煌桃山学院大学文学部・教授 
 樋口康一愛媛大学法文学部・教授モンゴル(語学)
 牧野和夫実践女子大学文学部・教授日本(書誌)
 森田憲司奈良大学文学部・教授中国(歴史)


E政策氏 名所属機関・職専門分野
◎○新宮 学山形大学人文学部・教授中国(近世史)
 岡村敬二京都ノートルダム女子大学人間文化学部人間文化学科・教授中日(図書館学)
 熊本 崇
(川合 安)
(須江 隆)
東北大学文学研究科・教授
(東北大学文学研究科・助教授)
(日本大学生物資源科学部・助教授)
中国(歴史)
 谷井俊仁三重大学人文学部・助教授中国(歴史)
 吉田公平東洋大学文学部・教授中国(思想)


F交流氏 名所属機関・職専門分野
 磯部祐子国立高岡短期大学地域ビジネス学科・教授中国(文学)
 岸田文隆大阪外国語大学外国語学部・助教授朝鮮・満州(語学史)
◎○鈴木信昭富山大学人文学部・教授朝鮮(歴史)
 真柳 誠茨城大学人文学部・教授中国(科学史)
 三浦國雄大阪市立大学文学研究科・教授中朝(思想)


G情報氏 名所属機関・職専門分野
 石田義光
(冨田 昇)
東北学院大学文学部・教授
(東北学院大学教養学部・教授)
情報図書館学
 梶浦 晋京都大学人文科学研究所附属
     漢字情報研究センター・助手
中国(書誌)
 栗林 均東北大学東北アジア研究センター・教授モンゴル(語学)
◎○高山節也二松学舎大学文学部・教授中国(書誌)
 藤本幸夫
(高井正三)
富山大学人文学部・教授
(富山大学総合情報基盤センター・教授)
 



《 研究推進・顧問、研究協力部門 》

国 内

 氏 名所属機関・職専門分野
研究顧問村上哲見東北大学・名誉教授 
研究顧問山田勝芳東北大学東北アジア研究センター・教授 
研究協力安田二郎東北大学 文学部長・教授 
研究協力長沢孝三国立公文書館 
研究協力山本 仁文部科学省 
研究協力岡本さえ元東京大学教授・東大名誉教授 



《 公募班(28名)》

A氏 名所属機関・職専門分野
 高津 孝鹿児島大学法文学部・教授 
 中川 諭新潟大学教育人間科学部・助教授 


B氏 名所属機関・職専門分野
 岩佐昌ワ九州大学言語文化研究所・教授 
 田村祐之姫路獨協大学外国語学部・助教授 
 手塚恵子京都学園大学人間文化学部・助教授 
 永冨青地早稲田大学理工学部・助教授 
 藤田佳久愛知大学文学部・教授 
 鱒澤彰夫日本大学工学部・助教授 
 山田健三信州大学人文学部・助教授 


C氏 名所属機関・職専門分野
 有澤晶子東洋大学文学部・助教授 
 粟野 宏山形大学工学部・助手 
 池田証壽北海道大学文学研究科・助教授 
 河内利治大東文化大学文学部・助教授 
 佐竹保子東北大学文学研究科・助教授 
 富田 淳
(鍋島稲子)
東京国立博物館・研究員
(台東区立書道博物館・研究員)
 


D氏 名所属機関・職専門分野
 藏中しのぶ大東文化大学外国語学部・教授 
 高橋章則
(高倉一紀)
東北大学文学研究科・講師
(皇學館大学文学部・教授)
 
 中見立夫東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・教授 
 西村浩子松山東雲女子大学人文学部・助教授 


E氏 名所属機関・職専門分野
 五代雄資
(村田忠繁)
(財)元興寺文化財研究所・研究員
(同研究所保存科学センター・歴史民族資料研究課課長)
 
 鶴成久章福岡教育大学教育学部・助教授 
 寺田浩明
(高見沢磨)
京都大学法学研究科・教授
(東京大学東洋文化研究所・教授)
 


F氏 名所属機関・職専門分野
 陳  捷日本女子大学人間社会学部・助教授 


G氏 名所属機関・職専門分野
 二階堂善弘関西大学文学部・助教授 
 原正一郎
(相田満)
(山田直子)
国文学研究資料館研究情報部・助教授
(同資料館研究情報部・助手)
(同資料館整理閲覧部・助手)
 
 平川 新
(塩谷昌史)
(藤原潤子)
東北大学東北アジア研究センター・教授
(東北大学東北アジア研究センター・助手)
(東北大学東北アジア研究センター・講師)
 
 夫馬 進
(伍躍)
京都大学文学研究科・教授
(大阪経済法科大学教養部・教授)
 
 松原孝俊九州大学言語文化研究院・比較社会文化研究学府・教授 




〔T〕平成15年度、16年度共通の計画・方法

1. 領域の各会議を開催し、「東アジア出版文化の研究」について討議し、結果を領域全体の運営と研究に反映させる。
2. 公募研究の研究者と密接な連絡をとり、計画研究との整合性を図る。
3. 東アジア出版文化に関する国際シンポジウム・講演会を開催する(平成15年度は仙台)。


研究代表者と分担者との役割分担は下図の通り。
平成15年度及び平成16年度は、中間評価の指導のもと、研究計画と方法の一部変更をし、本領域の研究目的と目標成果が具体化する方針とする。前半で曖昧となっていた目標及び成果の具現化を図るため、2つのプロジェクトを設けて総括班に直属させ、実行する。

@東アジア社会・文化研究の底本的資料となる善本資料の定義付けを含む選定作業のプロジェクトの設置
A東アジアの出版物や出版事項を主体とする「従来の枠を越えた資料学」の事典稿本作成のためのプロジェクトの設置


〔U〕平成16年度

平成15年度の計画・方法を継続する(但し、評価委員会等の意見によっては、計画・方法に再検討を加える)。
平成15年度に設置した@東アジア善本底本プロジェクトA東アジア新文献学事典プロジェクトの継続をしつつ、そのとりまとめをして冊子体(稿本)とする。
評価委員会に最終報告をし、外部評価を受け、総括班全体で研究のとりまとめをする。




〔研究計画の一部変更〕


  東アジア文化を考える上で、その底本たる文献的な善本を選定して行くという作業は重要であるが、これはそう単純な作業ではない。古い刊本である宋元版、或は旧鈔本の系譜を文化史の上から考える必要があるからである。しかし、文献のIT化が進む中で、早急に完成させなければならない段階に来ている。現在、領域では、東アジア文化研究における基軸をなす文献については、計画・公募研究及び研究協力の三方から具体的な検証が進められ、平成14年度末には前半期の成果が出る。前半期の研究では、目に見えない形で研究が推移した領域目標達成への取り組みであったが、後半ではその重要事項が着実に進行して、東アジア文化史上における@「善本の選定」とA「新資料学事典」の編纂が出来るように、平成15年度から、総括班の引導のもとに@とAのプロジェクトチームを作り、選定と稿本化に着手する。そのため、当初計画の組換えをし、プロジェクトチームの成果及び領域の当初計画が順調に公表できる予算配置にしている。