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資料紹介

本特別推進研究は、中国戯曲版本・鈔本を中心に取り扱うが、同時に密接して関連する小説や東アジア諸版本内府旧蔵絵画など、その対象は多岐に亘る。従って、「資料紹介」では新たな知見に基づいて、多様な文献を紹介し公開することとする。
研究成果集
研究成果集を作成しました。
科学研究費補助金 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」
研究成果集 Ⅰ
『東北大学附属図書館蔵「如是観等四種」原典と研究』
編著者 磯部 祐子
編集者 磯部 彰
発行者 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」(代表者 磯部彰)
印   刷 株式会社東北プリント
2009年3月発行 400部 非売品
東アジア善本叢刊第8集
科学研究費補助金 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」
研究成果集 Ⅱ
『慶應義塾図書館蔵「四郎探母等四種」原典と解題』
解   題 金 文京
編集者 高橋 智
発行者 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」(代表 磯部 彰)
印   刷 有限会社明倫社
2009年4月発行 400部 非売品
東アジア善本叢刊第9集
科学研究費補助金 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」
研究成果集Ⅲ
上海図書館所蔵『江流記』原典と解題
編著者 磯部 彰
発行者 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」(代表:磯部 彰)
印   刷 有限会社明倫社
2010年3月発行 400部 非売品
東アジア善本叢刊第11集

科学研究費補助金 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」
研究成果集Ⅳ
上海図書館所蔵『進瓜記』原典と解題
編著者 磯部 彰
発行者 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」(代表:磯部 彰)
印   刷 株式会社ホクトコーポレーション
2011年2月発行 400部 非売品
東アジア善本叢刊第12集

研究成果集Ⅴ
『西遊記』画三種の原典と解題
編著者 磯部 彰
発行者 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」(代表:磯部 彰)
印   刷 有限会社明倫社
2012年3月発行 400部 非売品
東アジア善本叢刊第15集

研究成果集Ⅵ
『清朝宮廷演劇文化の世界』
編著者 磯部 彰
発行者 特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」(代表:磯部 彰)
印   刷 有限会社明倫社
2012年12月発行 500部 非売品
東北アジア研究センター叢書 第49号

目次
はじめに(磯部彰)

研究編

『昭代簫韶』と楊家将物語(大塚秀高)

昭代簫韶情節一覧(別表一)(大塚秀高)

昭代簫韶演出表(別表二)(大塚秀高)

宮廷大戯『忠義璇図』について(馬場昭佳)

越南燕行使者的清宮游?與戲曲觀賞(陳正宏)

梗概編

『昇平宝筏』(北京故宮博物院本)の梗概(磯部彰)

『釣魚船』梗概(磯部彰)

『進瓜記』梗概(磯部彰)

『如意寶冊』梗概(小松謙)

『故宮珍本叢刊』所収「崑弋各種承應戲」①
  崑弋月令承應戲・崑弋承應宴戲・崑弋開場承應戲(磯部祐子)

『故宮珍本叢刊』所収「崑弋各種承應戲」②
  崑弋月令承應戲・崑弋承應宴戲・崑弋開場承應戲(磯部祐子)

『故宮珍本叢刊』所収「崑弋各種承應戲」③
  崑弋月令承應戲・崑弋承應宴戲・崑弋開場承應戲(磯部祐子)

昇平署月令承應戲(磯部祐子)

『中国地方戯曲集成』劇目あらすじ一覧(陳仲奇)

資料編

〔資料紹介〕旧東ドイツ芸術研究者蒐集の中国ポスター(磯部彰)

研究成果集Ⅶ
大阪府立中之島図書館蔵『昇平宝筏』(全10冊)
編著者 磯部 彰
発行所 東北大学出版会
印   刷 カガワ印刷株式会社
ISBN 第一本:ISBN978-4-86163-209-9
第二本:ISBN978-4-86163-210-5
第三本:ISBN978-4-86163-211-2
第四本:ISBN978-4-86163-212-9
第五本:ISBN978-4-86163-213-6
第六本:ISBN978-4-86163-214-3
第七本:ISBN978-4-86163-215-0
第八本:ISBN978-4-86163-216-7
第九本:ISBN978-4-86163-217-4
第十本:ISBN978-4-86163-218-1
2013年3月発行 70部
東アジア善本叢刊第16集

関連出版物紹介
東アジア善本叢刊第5集・第6集
慶應義塾図書館蔵閩斎堂刊『新刻増補批評全像西遊記』の研究と資料(上)(下)
   東北大学東北アジア研究センター叢書 第19号(上,2006年3月)
   東北大学東北アジア研究センター叢書 第23号(下,2006年12月)
明代、中国の小説は木版技術の向上のもと、多数出版された。『西遊記』もその一つで、万暦から崇禎にかけて商業出版活動が盛んであった南京や建陽で出版された。
本書は福建省建陽の書林楊氏によって刊行された版本で、『西遊記』研究の基本資料であり、同時に商業出版史、版画史の重要な資料でもある。現在、世界にこのテキストはわずか一本のみ伝わる貴重書で、世界の研究者は自由に閲覧する機会に乏しかった。このたびの原典の複印は、慶應義塾大学メディアセンターのご好意によるものであり、中国小説史や出版文化史の研究に裨益するものである。全体は(上) 706頁、(下) 626頁から成り、原寸影印とした。
東アジア善本叢刊第7集
費守斎刊『新刻京本全像演義三国志伝』の研究と資料
Akira ISOBE, A Study and Material of “Xin-ke Jing-ben Quan-xiang Yan-yi San-guo Zhi zhuan” published by the Fei Shou-zhai
(900部、内 東北アジア研究センター用700部、学会用200部)
2008年3月20日発行 全988頁 非売品
本書は、明代建陽地方の印刷文化史で重要な役割を演じた三国志演義の刊本を初めて世に公開するもので、原刊本の影印及びその書誌的な研究論文(日本語、中国語併記)から成る。センターのプロジェクトでは、東アジア出版文化史に焦点をあてて国内・国外の研究者と共同研究を進める中、その成果と社会公表に〈東アジア善本叢刊〉の出版による文化資料の保存と公開をうたっている。本叢書は、その趣旨に沿ったもので、国内の他、外国の主要研究機関に配布され、資料面での相互研究交流を図る。なお、原本資料は、東京・山本書店に所有された稀覯書であり、世界に唯一このテキストのみが伝存する。山本書店より譲られたのを機会に、広く江湖に再流布されるため、原本保存を兼ねて東北アジア研究センター研究ユニットの成果の一部として刊行された。
建陽・費守斎刊は明代萬暦48年の刊記をもつが、清初江南の文林閣・徳聚堂名入りの封面を付せられているので、建陽版の版本もしくは版木を用いた重刻乃至は重印本と思われる。
Fei Shou-zhai’s “Xin-ke Jing-ben Quan-xian Yan-yi San-guo Zhi zhuan” which was published by the Fei family at Jian-yang, is one of the most important original texts for studying the San-guo Zhi Yan-yi. It is also a very useful material for studying the commercial publishing history of the Late Ming dynasty. Today, it is the world’s sole remaining original text.

東アジア善本叢刊第10集
清初刊教派系宝巻二種の原典と解題─『普覆週流五十三参宝巻』と『姚秦三蔵西天取清解論』―
東北アジア研究センター叢書 第40号(2010年2月25日発行 全448頁 非売品)
本書は、清朝の初期に、民間で作られた宗教経典である宝巻2種の複製とその提要から成る。『姚秦三蔵西天取清解論』は順治2年(1645年)に出版された宝巻である。一方、『普覆週流五十三参宝記』は、康煕32年(1693年)、黄天道と呼ばれる宗派の流れをくむ宗祖による製作で、北京で出版された。明末清初の宝巻は、勅版経典を模倣した立派な体裁であり、製作地も宮廷のある北京城内の出版元で仏教や道教の経典とともに作られたことから、当時は禁書ではなかったことが判明する。原典には出版元の情報も記述され、装幀に用いられた絹布やその版型などを加えて考えると、内廷の皇妃や女官・宦官、北京在住の官僚・富裕層などがそのパトロンであったことを示す。ここに原典影印の意義がある。
Akira Isobe, The Original Texts of Two Denominational Precious Volumes Published in the Early Qing, with Explanatory Remarks: Pufu zhouliu wushisan can baojuan and Yaoqin sanzang xitian qu qing jielun, 2010
This volume consists of photofacsimile reproductions, together with summaries, of two religious texts known as "precious Volumes" (Baojuan 宝巻) that were published privately in the early Qing. The Yaoqin sanzang xitian qu qing jielun 姚秦三蔵西天取清解論 was published in Shunzhi 順治 2 (1645). The Pufu zhouliu wushisan can baojuan 普覆週流五十三参宝巻, on the other hand, was composed by a religious leader affiliated to a sect known as the Way of Yellow Heaven (Huangtiandao ?天道) and was published in Beijing in Kangxi 康熙 32 (1693). Precious Volumes published in the late Ming and early Qing were sumptuously produced, imitating scriptures published by imperial sanction, and in view of the fact that they were published alongside Buddhist and Daoist scriptures by publishers located within the city of Beijing, where the imperial palace was situated, it is evident that they were not proscribed at the time. The two texts reproduced here also contain information about the publishers, and if one further takes into account their silk binding, format, and so on, it is to be surmised that they were published with the patronage of princesses, ladies-in-waiting, and eunuchs in the imperial palace and officials and well-to-do people living in Beijing. Here lies the significance of reproducing these texts today.
東アジア善本叢刊第13集・第14集
高岡市立中央図書館蔵鄭雲林刊<全像三国志伝>原典と解題(上)(下)
Akira ISOBE ed. 2011. A Study on “Quan-xiang San-guo Zhi zhuan” published by the Zheng Yun-lin from Takaoka Central Library Collection (I) (II)
   東北大学東北アジア研究センター叢書 第42号(上,2011年2月 全792頁 非売品)
   東北大学東北アジア研究センター叢書 第44号(下,2011年3月 全700頁 非売品)
本書は、東アジア出版文化研究の基本となる善本の一種で、京都大学以外、世界に存在しないと言われた三国志演義の版本で、完全本である高岡市立中央図書館所蔵書の影印資料である。京都大学本は欠葉があり、かつ、同版でない可能性もある。三国志演義研究上、重要な文献である。内容は、資料本体と鄭雲林刊本の書誌、及び、建陽の書林鄭氏一族の研究から成る。なお、本書は、一冊の製本では取り扱いが難しいので、上冊・下冊二分冊に分けた。上冊には序及び巻1から巻10を収めて、解題資料を付け、下冊には巻11から巻20を収める。