毎年定期的に宮廷演劇に係る事項について行ないます。研究会は全て一般公開とし、代表者が主催する総合研究会と分担者が実施する公開研究会があります。
第1回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成20年7月27日(日) 仙台市 仙台戦災復興記念館
発表者:磯部彰
テーマ:「特別推進研究の概要と今後の方針について」
採択された当研究についての確認と、今後の計画について話し合った他、関連する資料や最新情報の交換を行ないました。翌日は、関連する国際学術学会も開催しました。
第2回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成20年12月18日(木) 東京都 学術総合センター
中国中山大学の黄仕忠先生をお招きし、ご講演いただきました。
第3回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成21年7月19日(日) 東京都 フォーレスト本郷
島根県立大学教授陳仲奇、及び東北大学東北アジア研究センター教育研究支援者柳静我が、研究発表をしました。
第4回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成22年2月6日(土) 東京都 フォーレスト本郷
埼玉大学教養学部教授大塚秀高、及び、東北大学東北アジア研究センター教授磯部彰の研究発表が行なわれました。
第5回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成22年6月5日(土) 仙台市 東北大学東北アジア研究センター
中国社会科学院石昌渝先生、同 石雷先生をお招きし、ご講演いただきました。
また、各メンバーが平成21年度の研究状況報告をしました。
第6回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成22 年11 月21 日(日) 東京都 フォーレスト本郷 会議室
神田外語大学山下一夫先生をお招きし、ご発表いただきました。また、京都大学教授金文京の研究発表が行われました。その他、各メンバーが研究状況報告をしました。
第7回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成23年3月5日(土)沖縄県那覇市 八汐荘大ホール
復旦大学陳正宏先生、故宮博物院章宏偉先生をお招きし、ご講演いただきました。また、駒澤大学准教授杉山清彦の研究発表が行われました。その他、早稲田大学 演劇博物館GCOE「演劇・映像の国際的教育研究拠点」東洋演劇コース並びに御座楽復元演奏研究会と共催で、~琉球の調べ~御座楽レクチャーと御座楽演奏会を行ないました。
第8回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成23年6 月4 日(土) 東京都 東京国立博物館 平成館 小講堂
京都府立大学教授小松謙、神奈川大学教授鈴木陽一、及び東京外国語大学教授中見立夫の研究発表が行われました。その他、各メンバーが研究状況報告をしました。
第9回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成23年9月12日(月)・13(火) 神奈川県足柄下郡箱根町 静雲荘
埼玉大学特別研究員松浦智子、東京大学院生上原究一、中国中山大学院生熊静、東洋文庫特別研究員村上正和、お茶の水女子大学外国人特別研究員柳静我、及び東北大学院生水盛涼一の研究発表が行われました。
第10回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成23年12月3日(土) 東京都 慶応大学 三田キャンパス北館3階大会議室
島根県立大学教授陳仲奇、富山大学教授磯部祐子、及び慶應義塾大学教授高橋智の研究発表が行われました。その他、斯道文庫の見学が行われ、また各メンバーが研究状況報告をしました。
第11回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成24年2月4日(土) 富山県 富山大学
東北大学教授磯部彰、及び京都府立大学教授小松謙の研究発表が行われました。
第12回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成24年4 月21 日(土) 東京都 東北大学東京分室
埼玉大学教授大塚秀高の研究発表が行われました。その他、各メンバーが研究状況報告をしました。
第13回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成24年6 月23 日(土) 東京都 東洋文庫
東北大学教授磯部彰の研究発表が行われました。その他、東洋文庫所蔵文献及びミュージアム共同調査をしました。
第14回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成24年10 月21 日(日) 東京都 東北大学東京分室
埼玉大学教授大塚秀高、及び、京都大学教授金文京の研究発表が行われました。
第15回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」総合研究会
平成25年1 月13 日(日) 東京都 東北大学東京分室
島根県立大学教授陳仲奇、埼玉大学院生柴崎公美子、及び、京都府立大学教授小松謙の研究発表が行われました。
研究会は、定期的に行う研究会とは別に、研究分担者が自由に企画した公開研究会です。今後随時このような勉強会を開き、可能な方が参加する形で進めて行きたいと考えています。
第1回特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」公開研究会
平成21年2月27日(金) 富山市 富山大学
復旦大学陳正宏先生をお招きし、ご講演いただきました。
平成20年7月28日・29日に仙台国際センターにおいて「第4回東アジア出版文化に関する国際学術会議を開催しました。
この研究の研究進捗評価現地調査評価コメントが、日本学術振興会のHPに掲載されました。
平成21年度 特別推進研究 研究進捗評価現地調査評価コメント
この研究の平成23年度研究進捗評価が、日本学術振興会のHPに掲載されました。
平成23年度 特別推進研究 研究進捗評価
平成24年11月11日(日)仙台市・東北大学片平キャンパスさくらホールにおいて、東北アジア研究センタープロジェクト研究ユニット「東アジア出版文化」による共同研究「東アジア近世社会における出版文化の意義」公開研究会を開催しました。
公開研究会として一般の方々の参加も仰ぎました。当日のプログラムは以下の通りです。
講師紹介
「関帝霊籤と明清社会」
特別講師 小川陽一(東北大名誉教授)
「赤と黒~東アジア漢籍における二色刷りの世界~」(日本語)
陳 正宏(復旦大学古籍整理研究所教授・東北アジア研究センター客員教授)
「安芸浅野家の漢籍蒐集と藩体制~徳川か豊臣か42万石の行方~」
磯部 彰(東北大学東北アジア研究センター教授)
小川陽一先生は、今回の講演では、「江東霊籤」というおみくじが、三国志の関羽を祭る関帝廟と結合し、「関帝霊籤」という名のおみくじに変化し、このおみくじが多様な状況に答えられるように様々な趣向が加えられ、おまけがついて、広く明末清代社会に拡まったことを紹介しました。
本センター元客員教授の陳正宏復旦大学教授は、日本の江戸時代後期では、浮世絵は多色刷印刷であった反面、書籍の印刷は単色(墨色)で行なわれていた点を取り上げ、その江戸時代に市河米菴が自己の出版物を赤と黒の二色刷で出したこと、明治になると、本文が黒で割注が赤で印刷するまでになったこと、また、ベトナムでは一枚の版木に赤と黒の墨を塗りわけて二色刷りにしたことなどを実物を展示して説明しました。その一方、朝鮮朝では両班の儒学尊重から明朝の内府(宮廷)の印刷物が墨色印刷であったことに倣って、墨色印刷しかしなかったと、文化史の視点から明らかにしました。
最後に研究主催者の磯部彰は、広島藩主浅野家の蒐集した浅野文庫本について、その伝存本の特色から、浅野文庫本は浅野本家の藩主家の蔵書で、江戸中期の藩校蔵書とは区別されていたこと、その蒐集は、桃山時代から江戸時代に和歌山を領国とした浅野幸長か、その弟の広島初代藩主長晟によってなされた可能性を指摘しました。しかも、その蒐集は単なる好学ではなく、豊臣家から徳川家へ主君を更える浅野家が君臣関係を見直す際の参考文献とした背景があったものではないかと紹介しました。桃山時代、日本では日・朝・明の書物交流が活発に行なわれる中、朱子学などは朝鮮本を尊重して利用し学習していたことも併せて提示しました。
公開研究会には、河北新報で紹介していただいたこともあり、院生や学内外の研究者の他、一般市民の方も参加し、熱心な質問もいただきました。